コトコハ ―thinking

言+常葉=コトコハ。思うこと、できたこと、読んだ本を大切に。

12月の読書まとめ

年の最後に『ツナグ』を読んで正解でした。

 

12月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3349
ナイス数:173

白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)感想
★★★☆。人がバタバタ亡くなるわりに、ラストがわりとあっさり感。諸国集結してとどめをさす結末を予想していたので、置いていかれた部分が多かった。泰麒の前代未聞の冷徹さにはしびれたけど、全体的にもう少しスピード感と引き締め感が欲しかった。
読了日:12月02日 著者:小野 不由美
鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。感想
読み物。こんなライトなノンフィクションがもっと増えると楽しい。希少な鳥類学者の道を、成り行きで極める筆者の文章がわかりやすく面白すぎる。蛾の襲撃が嫌すぎるフィールドワークの過酷さ。フィールドがなくなる悲しさ。それすらも最終的に楽しむくらいでないと、学者はやってられないだろう。しかし確かに鳥の飛翔能力は、重力に逆らっている。羽毛にしても名前にしても、不思議なことだらけ。
読了日:12月05日 著者:川上 和人
京都西陣なごみ植物店 4 「豊臣秀吉に背いた桜」の謎 (PHP文芸文庫)京都西陣なごみ植物店 4 「豊臣秀吉に背いた桜」の謎 (PHP文芸文庫)感想
★★★。神苗さんの心の声はだいぶ小さくなった。実菜の夢の博物館の運営は、後ろ楯はあれども現実的に力不足。宙ぶらりんになったまま終わってしまった印象でした。恋愛要素抜きで、素直に植物探偵か花屋の事件手帖の方が楽しめたかもしれない。
読了日:12月06日 著者:仲町 六絵
荒城に白百合ありて荒城に白百合ありて感想
★★★★☆。「そつなく」国や時代に順応し、完璧に生きる会津の少女と薩摩の青年。周囲の模範になることで評価は得られるけど、熱量のない人形でもある。何かに熱中し、突っ込んでいく人々に憧れつつも、虚無感の先の滅びに焦がれる様子がたまらなかった。攘夷の暴力性への本能的な抵抗感の結果かもしれない。そこだけは二人とも人間らしかった。
読了日:12月08日 著者:須賀 しのぶ
クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))感想
★★★★。メトロポリタン美術館に家出!なんて素敵な冒険なんだろう。たっぷり貯めたお小遣いを持つ弟と手を組んだ、12歳のクローディア。姉弟の最大限の用意周到な知恵と運で潜伏した一週間。大人の世界からの制約はお金くらいだったけど、秘密を持つことは一番の財産だと教えてくれた。冒険を否定しない大人を見つけられたのが良かった。両親からは何と言われたのだろう。
読了日:12月10日 著者:E.L.カニグズバーグ
ツナグ (新潮文庫)ツナグ (新潮文庫)感想
★★★★★。祖父がいなくなった2019年のうちに読んでおきたかった本。家で読んで正解。共感に泣いた死もあれば、他人事のように思えた死もあった。歩美の両親の悲劇には胸を詰まされた。それでも、「死者は、残された生者のためにいるのだ」の言葉に、エゴだとわかりつつも救われたい。ただし「人生に一度、一人だけ」の制約の取り扱いが恐ろしい。死者の方も会うか決められるという意味では、死者も独立した意識体なんだろう。その意味では、100%生者の希望願望の集約体ではないはず。使って良かった一回、そんなご縁は身近にもあるはず。
読了日:12月15日 著者:辻村 深月
鹿の王 水底の橋鹿の王 水底の橋感想
★★★☆。
読了日:12月20日 著者:上橋 菜穂子
ツナグ 想い人の心得ツナグ 想い人の心得感想
★★★★★。どこか淡泊だった歩美は確実に成長し、社会人に。故人も含めて、登場する女性がみんな強くて気高い。会えるご縁はそういう要素を満たしているか、も関わっているかもしれない。8歳にして将来有望な杏奈もその一人。ご縁があるかもしれないけど、自分の意思を崩したくない奈緒は、いろんな意味で歩美には特殊な存在だったのだろう。ところでこの世界だと、あの世で死者同士は会えないのかな。絢子が生前の関係者と一切会えずにいることが気になる。あの世で会える保証もないなら、やっぱりつないでもらう必要性があるのかな。
読了日:12月22日 著者:辻村 深月
復讐の聖女 (角川スニーカー文庫)復讐の聖女 (角川スニーカー文庫)感想
★★★☆。不死身の身体のジャンヌ・ダルクが、裏切り者を探して殺しては蘇生する物語。わりと残虐な描写が多いわりに、謎の爽やかさと前向きさがある。猪突猛進なジャンヌが純真なせいかもしれない。みんな体よくジャンヌを利用していたことを思うと、だんだんジャンヌが不憫に見えてくる。でも倫理的にこの展開に慣れるのは良くない気がする。時代背景はしっかり楽しめます。
読了日:12月25日 著者:高橋 祐一
カタナなでしこ (講談社タイガ)カタナなでしこ (講談社タイガ)感想
★★★☆。2019年の読み納め。補習で出会った女子高生4人組が、土蔵から発見した日本刀に拵えを作る物語。伝統を素直に新しく受け継ぐということと、4人それぞれの自我の見直しがうまくリンクしていて面白かった。見た目や印象で物事を決めつけるのは悲しいこと。それを洗い出すグループワークになって良かった。ただ、冒頭の夢の伏線が回収されなかったことや、Twitterで拡散されたことによる弊害はもっと考えられたので、ラストは落ちつきすぎていたかも。
読了日:12月28日 著者:榊 一郎

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